トルコ旅手帖  vol. 3

トルコの旅で見つけたキリムたち  ー出会い編ー

キリムという敷物に目新しさは無いかもしれない。

けれども、実際にキリムを手に取って見たことがある人はどのくらいいるのだろう。

遊牧民の女性が、糸を紡ぎ、染色し、様々な想いをデザインに込めて、織り上げたキリム。

生活の道具として織られたキリムたちは、強く、美しく、そして個性的。

そんなキリムを実際に、現地で見たくなった。これまでも、日本で取り扱っている業者さんを通して、クラフトジャーナルでも若干は取り扱ってきたけれど、トルコの街や人を感じることが何よりも大切だと思ったから。とは言え、本当に遊牧民が織っているところには、早々行けるはずもなく、先ずは、イスタンブールへ。

今回、運よく知人のサポートがあり、グランバザールやその周辺のいわゆる観光で行く場所ではなく、キリムの卸をしている業者さん巡りの旅。期待と不安、、、と言うよりも期待しかない旅のスタート。

 

未明にアタデュルク国際空港到着。トルコは現在インフラに力を入れているようで、次回からは2018年10月末に開港したイスタンブール空港の発着になるのかもしれない。

空港の到着がAM3:30。公共のアクセスがないため、タクシーでホテルへ。なぜかFIATのタクシーが多い。

今回のホテル。目の前に公園があり、とても閑静なホテル。イスタンブールの市内は思ったよりもコンパクトなので、旧市街地で一番の繁華街でも徒歩圏内。

キリムのストックルーム。実は、このストックルームに連れて行ってもらえるかどうかが、非常に大事なポイントになる。路面店でお店を持ちながら、キリム商人たちは、どてんでもない枚数のキリムをストック場所に持っている。初対面で話をしている時に、店の入り口付近で帰ってもらう相手と、ストックを見せてやろうという相手を面接しているのだろう。運と相性よくストックルームに辿り着けたら、それはもう宝の山。時間と体力があれば、何日でもずっと見ていたい。

vol. 4へつづく


 
クラフトジャーナル代表
CHIE ENOKI
時代の古い新しいにこだわらず、旅先で出会った空気感や、ひとのモノづくりが見えるストーリーのあるプロダクトやグリーン植物、アート作品などをセレクトした空間演出とインテリアコーディネートを多方面で企画。